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 調査:東京都62市区町村

精神障害者保健福祉手帳1級の手当は、
23区と多摩で大きく分かれる

市区町村が独自に出している手当の対象になるかを、東京都の62市区町村すべて調べました。 同じ手帳・同じ等級でも、住んでいる場所で扱いが変わります。

先に結論

市区町村が独自に出している手当で、精神障害者保健福祉手帳が対象になるのは 23区では19区23区以外では調布市と奥多摩町の2自治体だけでした。

この記事の集計は、精神障害者保健福祉手帳1級の場合です。 調べた範囲で2級も対象にしていたのは奥多摩町だけ、3級を対象にしている自治体はありませんでした。

123区と多摩で、大きく分かれた

多くの市区町村には、国や東京都とは別に、独自の障害者手当があります。 「心身障害者福祉手当」などの名前で、毎月の額が決まっているものです。

この手当の対象に精神障害者保健福祉手帳1級が含まれているかを、 東京都の62市区町村すべてについて調べました。

地域精神手帳1級が手当の対象
東京23区19区 / 23区
23区以外(多摩・島しょ)2自治体 / 39自治体(調布市・奥多摩町)

23区以外の多くの自治体にも独自の手当はあります。 ただし対象が身体障害者手帳と愛の手帳(療育手帳)に限られており、 精神障害者保健福祉手帳が条件に入っていません。

調べきれていない部分もあります。 八王子市と町田市には、そもそも市独自の上乗せ手当がありません。 島しょ部の9町村は、独自の手当に関する情報を公開しておらず確認できませんでした。 これらを「精神手帳が対象外」と数えているわけではありません。

また、手当とは別の形で支援している自治体もあります。 多摩市には交通費の助成があります。今回の集計には含めていません。

2手当が受けられる21自治体の一覧

精神障害者保健福祉手帳1級の方が対象になる、市区町村独自の手当の月額です。 所得制限や年齢の条件があるため、実際に受け取れるかは窓口でご確認ください。

自治体月額年額出典
千代田区15,500円186,000円出典
港区15,500円186,000円出典
新宿区15,500円186,000円出典
江戸川区15,500円186,000円出典
中央区10,200円122,400円出典
文京区10,000円120,000円出典
世田谷区10,000円120,000円出典
北区10,000円120,000円出典
練馬区10,000円120,000円出典
荒川区9,500円114,000円出典
品川区8,500円102,000円出典
渋谷区8,000円96,000円出典
墨田区7,750円93,000円出典
中野区7,750円93,000円出典
板橋区7,750円93,000円出典
足立区7,750円93,000円出典
葛飾区7,750円93,000円出典
杉並区5,000円60,000円出典
奥多摩町5,000円60,000円出典
大田区4,500円54,000円出典
調布市2,500円30,000円出典

最も高い千代田区・港区・新宿区・江戸川区は月15,500円で、年額186,000円です。 23区で最も低い大田区は月4,500円、年額54,000円。 同じ23区内でも年13万2千円の差があります。

調布市と奥多摩町は、手当の名前が「心身障害者福祉手当」ではありません。 調布市は「心身障害者交通(おでかけサポート)手当」、 奥多摩町は「精神障害者支援事業」として支給されるものです。 どちらも市町が独自に毎月の額を決めて出している手当なので、この記事では数に入れています。 奥多摩町のものは、心身障害者福祉手当と両方を受けることはできません。

板橋区は令和8年4月1日から、精神障害者保健福祉手帳1級の方が新たに対象になりました。 江戸川区も令和8年4月分から対象者と月額が変わっています。 対象は年度ごとに見直されるため、以前は対象外だった自治体でも、 いまは対象になっている場合があります。

残る4区(台東区・江東区・目黒区・豊島区)は、区独自の手当の対象に 精神障害者保健福祉手帳が含まれていませんでした。 別の形の支援がある場合もあるため、お住まいの区の窓口でご確認ください。

3都や国の制度でも、手帳の種類で線引きがある

市区町村だけの話ではありません。都や国の制度にも、 手帳の種類や等級による線引きがあります。

制度実施精神手帳の扱い
心身障害者福祉手当東京都対象外
マル障(医療費助成)東京都1級は対象(2019年1月から)
都営交通の乗車証東京都全等級が対象
自動車税・軽自動車税の減免東京都・市区町村1級のみ。自立支援医療の受給者証も必要
有料道路の通行料金割引NEXCO等対象外
青い鳥郵便葉書日本郵便対象外

知的障害を伴わない発達障害の方は、精神障害者保健福祉手帳を取得することがあります。 その場合、東京都の心身障害者福祉手当のように対象外になる制度があります。

一方で、精神手帳でも使える制度は多くあります。 所得税・住民税の障害者控除、NHK受信料の減免、携帯電話料金の割引、 都営交通の乗車証(全等級)、マル障(1級)などです。 「精神手帳だから何も使えない」わけではありません。

4なぜ分かれているのか

精神障害者保健福祉手帳が始まったのは1995年(平成7年)で、 身体障害者手帳(身体障害者福祉法1949年、交付は1950年から)や 療育手帳(国の通知は1973年)よりあとです。

市区町村の手当の多くは、それ以前から 「身体障害者手帳と療育手帳を持つ方」を対象に作られてきました。 東京都の心身障害者福祉手当が精神手帳を対象にしていないため、 精神手帳を加えるかどうかは、各市区町村の判断にゆだねられています。

23区とそれ以外で判断が分かれている理由までは、今回の調査では分かりませんでした。 自治体の姿勢の良し悪しの話ではなく、 制度が後からできたぶん、対象に含まれていない場面があるという事実として 受け取っていただければと思います。

5対象外だった方が確認できること

お住まいの自治体で手当の対象外だったとしても、確認できることはあります。

  • 手当以外の制度を確認する。 交通費の助成、ごみ袋の減免、水道・下水道料金の減免など、 手当とは別に自治体が行っているものがあります。
  • 都と国の制度を確認する。 マル障(1級)、都営交通の乗車証(全等級)、所得税・住民税の障害者控除、 NHK受信料の減免などは、お住まいの場所に関係なく使えます。
  • 手帳がなくても使える制度がある。 自立支援医療、障害福祉サービス、障害基礎年金は、 手帳の有無ではなく、障害の状態や医師の診断で判断されます。 お子さんについては特別児童扶養手当・障害児福祉手当という制度もあります (いずれも独自の認定基準があります)。
  • 2級・3級の方も、使える制度はあります。 都営交通の乗車証、税の障害者控除、NHK受信料の減免などは等級を問いません。

お住まいの自治体で何が使えるかは、 4つの質問に答える診断でまとめて確認できます。

まとめ

精神障害者保健福祉手帳1級の方が市区町村の手当を受けられるかは、 23区で19区、23区以外では調布市と奥多摩町の2自治体でした。

住んでいる場所で受けられるものが変わるのは、 利用する側からは分かりにくい仕組みです。 手当の額だけで住む場所を決められるものではありませんが、 まずはお住まいの自治体で何が使えるかを確かめてください。

対象の制度を調べてみる

調査の方法について

  • 2026年9月6日時点で、各市区町村が公開している情報を確認しました。
  • 集計対象は「市区町村が独自に実施している、月額が決まっている手当」です。制度の名前が「心身障害者福祉手当」でなくても、自治体自身が「手当を支給する」としているものは含めています(調布市・奥多摩町がこれにあたります)。タクシー券などの現物給付は含めていません。
  • 金額は精神障害者保健福祉手帳1級の場合です。
  • 八王子市・町田市には市独自の上乗せ手当がありません。島しょ部の9町村は情報を確認できませんでした。これらは「対象外」ではなく「確認できなかった」として扱っています。
  • 表の各行に、確認元のページへのリンクを付けています。

制度は毎年4月ごろに改正されます。お読みの時点で金額や条件が変わっている可能性があります。 申請の前に必ず窓口でご確認ください。 誤りを見つけられた場合は訂正のご依頼からお知らせいただけると助かります。

この記事の出典

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