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 調査:東京都62市区町村

愛の手帳4度の手当は、住む場所で年16万円違う

同じ手帳、同じ等級、同じ年齢。それでも、住んでいる市区町村が違うだけで、 受け取れる手当が年間で16万2千円変わります。東京都の62市区町村をすべて調べた結果をまとめます。

結論から

もっとも高い文京区は月13,500円。いっぽう八王子市と町田市には、この等級を対象にした市の手当がありません(0円)。

年額にすると162,000円の差です。引っ越しをするだけで、受け取れる額がこれだけ変わります。

調べたのは、療育手帳の軽度(東京都でいう「愛の手帳4度」)の方が対象になる、 市区町村が独自に出している手当です。62市区町村のうち52自治体で金額を確認できました。

なぜここまで差がつくのか

東京都には「心身障害者福祉手当」という制度があり、月15,500円が支給されます。 ただしこの都の手当が対象にしているのは、愛の手帳1〜3度と身体障害者手帳1・2級までです。

つまり愛の手帳4度は、東京都の手当の対象外です。 この層をどう扱うかは、市区町村それぞれの判断にゆだねられています。

愛の手帳の等級と手当の関係

  • 1〜3度 東京都の手当 月15,500円 + 市区町村の上乗せ
  • 4度  東京都の手当は対象外。市区町村の手当だけが頼り

重度の方への支援は都が下支えしているため、自治体差は上乗せ分にとどまります。 ところが4度の方は、自治体の判断がそのまま金額の全部になるため、差が丸ごと表に出ます。 これが16万円という開きの正体です。

東京都62市区町村の一覧

愛の手帳4度(療育手帳の軽度)の方が対象になる、市区町村独自の手当の月額です。 所得制限や年齢の条件があるため、実際に受け取れるかは窓口でご確認ください。

順位市区町村月額年額出典
1文京区13,500円162,000円出典
2瑞穂町13,000円156,000円出典
3稲城市12,500円150,000円出典
4羽村市12,000円144,000円出典
5国立市11,500円138,000円出典
5杉並区11,500円138,000円出典
7武蔵野市11,000円132,000円出典
8奥多摩町10,600円127,200円出典
9檜原村10,500円126,000円出典
10中央区10,200円122,400円出典
11北区10,000円120,000円出典
11練馬区10,000円120,000円出典
11目黒区10,000円120,000円出典
14荒川区9,500円114,000円出典
14千代田区9,500円114,000円出典
16世田谷区9,000円108,000円出典
17品川区8,500円102,000円出典
17豊島区8,500円102,000円出典
19青梅市8,000円96,000円出典
19渋谷区8,000円96,000円出典
19多摩市8,000円96,000円出典
19日野市8,000円96,000円出典
23足立区7,750円93,000円出典
23板橋区7,750円93,000円出典
23江戸川区7,750円93,000円出典
23葛飾区7,750円93,000円出典
23江東区7,750円93,000円出典
23小平市7,750円93,000円出典
23新宿区7,750円93,000円出典
23墨田区7,750円93,000円出典
23台東区7,750円93,000円出典
23港区7,750円93,000円出典
33武蔵村山市7,700円92,400円出典
34府中市7,500円90,000円出典
35あきる野市7,000円84,000円出典
35日の出町7,000円84,000円出典
37小金井市6,500円78,000円出典
38東大和市6,100円73,200円出典
39調布市6,000円72,000円出典
39東村山市6,000円72,000円
39福生市6,000円72,000円出典
42西東京市5,500円66,000円出典
43国分寺市5,400円64,800円出典
43狛江市5,400円64,800円出典
45大田区4,500円54,000円出典
45立川市4,500円54,000円出典
47昭島市4,000円48,000円出典
47清瀬市4,000円48,000円出典
47東久留米市4,000円48,000円出典
47三鷹市4,000円48,000円出典
51八王子市0円0円
51町田市0円0円

確認できなかった10自治体:青ヶ島村、大島町、小笠原村、神津島村、利島村、中野区、新島村、八丈町、御蔵島村、三宅村
島しょ部の町村は、独自手当の情報がウェブ上で公開されておらず確認できませんでした。 制度がないとは限りませんので、役場の福祉担当窓口にお問い合わせください。 中野区は区独自の手当(月5,000円)がありますが、都の手当への上乗せなのか別建てなのかを 確認できなかったため、表には含めていません。

この表から読み取れること

1. 23区が高く、多摩地区が低い、とは言い切れない

1位は文京区(23区)ですが、2位は瑞穂町、3位は稲城市、4位は羽村市と多摩地区が続きます。 いっぽうで大田区は4,500円と、多摩地区の平均より低い水準です。 「23区なら手厚い」という思い込みは当たりません。

2. 7,750円に11自治体が並んでいる

港区・新宿区・台東区・墨田区・江東区・板橋区・足立区・葛飾区・江戸川区・小平区…と、 月7,750円ちょうどに11自治体が集中しています。 これは東京都の手当(15,500円)の半額です。都の額を基準に決めている自治体が多いことがうかがえます。

3. 制度が「ない」自治体がある

八王子市と町田市は、市独自の上乗せ手当そのものがありません。 東京都がまとめた調査資料(令和6年4月1日現在)でも、この2市は市独自手当を実施していない自治体として記載されています。

どちらも人口50万人を超える大きな市です。規模が大きいほど手厚い、というわけでもありません。

引っ越しを考えている方へ

手当の額だけで住む場所を決められるものではありません。学校や事業所との距離、通勤、家賃、 きょうだいの環境。判断材料はいくつもあります。

ただ、年16万円の差があることを知らないまま決めてしまうのは、もったいないと思います。 候補地がいくつかあるなら、この表を材料のひとつに加えてみてください。

なお、手当以外にも自治体で差が出るものがあります。 福祉タクシー券、ごみ袋の減免、紙おむつの支給など。 障害者手帳サービスナビでは、お住まいの自治体を選ぶとまとめて確認できます。

いま受け取れていない方へ

手当は、申請しなければ支給されません。対象になっていても、黙って振り込まれることはありません。

表を見て「自分の市にも制度がある」と気づいたら、市区町村の障害福祉担当課にお問い合わせください。 所得制限があるため全員が対象になるわけではありませんが、確認しないまま過ごすのが一番もったいないです。

対象の制度を調べてみる

調査の方法について

  • 2026年8月14日時点で、各市区町村が公開している情報を確認しました。
  • 表の各行に、確認元のページへのリンクを付けています。
  • 金額が公表されていない場合は、推測せず「確認できなかった」として扱いました。
  • 手当の名称は自治体ごとに異なります(心身障害者福祉手当、障害者福祉手当など)。

制度は毎年4月ごろに改正されます。お読みの時点で金額が変わっている可能性があります。 申請の前に必ず窓口でご確認ください。 誤りを見つけられた場合は訂正のご依頼からお知らせいただけると助かります。